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一般社団法人日本自動車工業会 様 生成AIで相談対応を効率化、業界全体を支える仕組みづくり

生成AIで相談対応工数を85%以上削減、回答精度90%を達成​
自動車産業のセキュリティ底上げと「常設窓口」の実現へ​
自工会様

一般社団法人日本自動車工業会 様

日本の自動車メーカー14社で構成される団体。日本の自動車工業と関連産業の健全な発達を図り、持続可能な経済及びモビリティ社会の実現、さらには社会課題の解決に寄与することを目的としています。近年、自社内環境だけでなくサプライチェーンを狙った攻撃など、自動車産業を取り巻くサイバーセキュリティリスクの深刻化に伴い、業界全体での対策の底上げをめざして、一般社団法人日本自動車部品工業会と共にガイドラインの策定や業界各社への点検支援を強力に推進しています。​

今回導入したソリューション

生成AIを活用した「サイバーセキュリティガイドライン」相談対応チャットボット
・背景:膨大なサプライチェーンを抱える自動車産業において、専門的なガイドラインへの相談対応の効率化が課題。
・内容:既存のFAQをベースに、チャットボット投入用のFAQデータを再整備。サイバーセキュリティガイドラインに関する質問に回答する実用的なチャットボットを構築。
・効果:年間286時間かかっていた相談対応準備工数を約36時間へと85%以上削減。あわせて回答精度90%という高い実用性を実現。

生成AIによるサイバーセキュリティ相談対応準備工数の変化とAIの回答精度

この記事はこんな企業もしくは企業のご担当者さまにおすすめ

・問合わせ対応の工数削減に悩んでいる
・生成AIを活用したいが、回答の正確性(ハルシネーション対策)を重視している
・24時間365日のサポート体制を構築したい

一般社団法人日本自動車工業会様(以下、自工会) インタビュー

1. 自動車産業全体のセキュリティを守る「重圧」と「工数」

DNP :

まずは、自工会さまが担われているミッションについて教えてください。

自工会:

私たちのミッションの一つとして、日本の基幹産業である自動車業界全体のサイバーセキュリティ対策の底上げに取り組んでいます。その一環としてガイドラインを策定していますが、業界各社からの専門的な相談への対応は、現在も非常に重要であり、常に責任が問われる業務となっています。

DNP :

サイバーセキュリティ対策として、具体的にはどのような活動をされているのでしょうか?

自工会:

自工会と日本自動車部品工業会(JAPIA)が策定した「サイバーセキュリティガイドライン」にもとづき、業界各社にセルフチェックシートの提出をお願いしています。ただ、自動車産業はサプライチェーンの裾野が非常に広く、対象となる企業数は膨大です。そのため、提出時期になるとガイドラインの解釈や具体的な対策方法に関する専門的な相談事が多く発生するのですが、当時は、リアルタイムでそれらを受け付けるような常設の窓口を設けていませんでした。

DNP :

常設の窓口がない中で、どのように業界各社の皆さんの疑問を解消されていたのですか?

自工会:

解決策として、2023年度は5回、2024年度は11回と回数を増やして運用していたのが、専門家が直接質問に答える『よろず相談会』という対面形式の場でした。しかし、その準備工数は大きな負担となっていました。具体的には、まず、相談会参加者から事前に相談内容を聴取し、それに対して回答担当者4名がそれぞれ4時間かけて回答案を作成。さらに事務局も多大な時間を費やして調整を行っていました。試算すると、年間で計286時間。本来は対策の推進に注力すべき専門家たちが、相談会の準備で手一杯になってしまうという課題を抱えていました。

インタビュイー(自工会様)

2. なぜ「生成AI」だったのか、DNPを選んだ理由

DNP :

有人対応のコールセンターなどの選択肢もあったかと思いますが、なぜ生成AIチャットボットの導入を決められたのでしょうか?

自工会:

業界各社が、相談会を待たずに「24時間いつでも」疑問を解決できる環境を作りたかったのが1番の理由です。検討にあたって何よりも重視したのは、生成AIによる回答精度の高さです。セキュリティという専門性の高い分野を取り扱う以上、不正確な回答(ハルシネーション)のリスクを最小限に抑えることは絶対条件でした。その点、DNPさんの技術は私たちの求める品質基準を明確にクリアできていると感じています。

DNP :

リリースまでのスケジュールも非常にタイトでしたね。

自工会:

そうですね。非常に短い準備期間でしたが、私たちの要望をくみ取り、期限内に確実にサービスを立ち上げてくれたプロジェクト推進力は非常に助かりました。

3. 【本音で語る】運用で見えた課題と、DNPへの期待

DNP :

実際に運用を開始してみて、いかがでしょうか。特に運用面においては、実務に即した改善の余地について率直なフィードバックもいただいていますが。

自工会:

チャットボットの回答精度には手応えを感じていますが、日々の運用スピードや、私たちの実務フローへの適応という点では、まだ調整が必要な場面もありました。Teamsを用いた課題管理や情報のやり取りにおいて、期待したタイミングでの対応が難しかったりと、お互いのリズムを合わせる過程でギャップが生じていたのは事実です。

DNP :

ありがとうございます。スピード感や連携のあり方については、私たちも改善すべき点として認識しています。現在は、運用時における体制や、精度向上のためのFAQ更新フローについての見直しを継続的に行っています。

自工会:

ツールの導入がゴールではありませんからね。実際に活用されているからこそ出てくる課題だと思っています。DNPさんには、今後も現場での使い勝手を踏まえた現実的な提案をいただき、共にこの仕組みを磨いていける関係であることを期待しています。

インタビュイー(自工会様)
インタビュイー(自工会様)

4. 確かな回答精度と工数削減の両立、生み出された「時間」をより本質的な活動へ

DNP :

課題に向き合いながらも、数字面では大きな成果が出始めていますね。

自工会:

そこについては、確かな成果を実感しています。年間286時間かかっていた相談対応関連の工数が、現在は月1回のFAQ更新や管理業務に集約されました。現時点で相談対応関連の工数は36時間程度まで削減できる見込みで、85%以上の効率化です。

DNP :

もしチャットボットを導入せず、以前のように相談会を継続していたらどうなっていたと思われますか?

自工会:

相談ニーズは年々高まっていましたから、もし導入せずに相談会を開催し続けていたとしたら、対応にあたるメンバーの工数は今以上に膨れ上がり、本来注力すべき業務に大きな支障が出ていたはずです。逆に言えば、今回の導入で浮いた時間を、ガイドラインの精緻化や、業界全体のセキュリティレベルを底上げするための新たな施策立案といった、より本質的な活動に充てられるようになりました。この意義は非常に大きいです。

DNP :

単に工数を減らすだけでなく、回答の質を維持することも重要だったかと思います。その点はいかがでしたか。

自工会:

そうですね。正確な情報提供が求められるセキュリティ分野において、回答の精度は極めて重要な要素でした。実際に運用してみると、導入した生成AIの回答精度は90%という高い水準に達しており、専門的な内容でも十分に実用できることが証明されました。何より、業界各社の担当者が抱える疑問を「その場で解決できる」ようになった価値は計り知れません。

5. 今後の展望:対話と改善を重ね、より「現場」に即したツールへ

DNP :

貴重なお話をありがとうございました。今回の手応えをふまえ、今後はどのような展開を考えていらっしゃいますか。

自工会:

今回の導入で、生成AIが私たちの心強い助けになることがよく分かりました。今はガイドライン対応が中心ですが、将来的にはこのチャットボットの対応範囲を展開・拡大し、セキュリティに関することなら何でも相談できる「常設の窓口」へと進化させていきたいですね。業界各社の皆さんが困ったときに、いつでも安心して頼れる仕組みにしていきたいと考えています。

DNP :

その理想を実現するために、パートナーとしてのDNPに期待することをぜひ教えてください。

自工会:

AIツールは導入して終わりではなく、そこにある「知恵」をどう磨き上げるかが大事です。DNPさんには、単にツールを提供する側ではなく、現場の試行錯誤を共有しながら、この仕組みを一緒に良いものにしていってくれるパートナーであってほしいですね。

DNP :

ありがとうございます。その想いにしっかりと応えていきたいです。運用を通じて見えてきた課題も、すべては「より確かなサービス」にするための大切なステップだと考えています。これからも自工会さまと足並みを揃え、日本の自動車産業の安全を陰で支える、文字通り「頼れる窓口」を共に作っていければと思います。

編集後記

今回の事例は、単なるツールの導入成功談ではありません。運用の中で生じる現場のリアルな課題を双方が認め合い、改善を繰り返しながら「真の価値」を共創している現在進行形のDX事例です。DNPコアライズは、これからもお客さまの「本音」に寄り添い、共に進む支援を続けてまいります。

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