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株式会社 沖縄銀行 様 大量通知でも顧客対応を止めなかった運用設計

「人海戦術」では到底回せなかった
数十万件の通知を支えた、“お客さまを待たせない”仕組み
沖縄銀行様

株式会社 沖縄銀行 様

1956年創立。おきなわフィナンシャルグループの中核として、「地域密着・地域貢献」を経営理念に掲げ、地域の信頼に応え、県民に一番愛される銀行「ピープルズバンク」の実現を目指しています。金融サービスにとどまらず、地域課題の解決にも幅広く取り組み、沖縄の持続的な成長と豊かな未来づくりに貢献しています。

本事例について

口座に関する重要なお知らせを数十万件規模でお客さまへ送付する必要があった今回のプロジェクト。一斉に通知を送れば、銀行の窓口やコールセンターに問合わせが集中し、「電話がつながらない」状態に陥る――。
現場がパンクし、通常業務に支障が出るリスクは、沖縄銀行さまにとって避けなければならない大きな課題でした。

本事例では、DM(お知らせ)の送付とAI自動応答サービス(本件専用のお問合わせ窓口)を組み合わせるだけでなく、通知内容や問合わせシナリオを設計し、通知から顧客対応までを一体的に構築。大量通知と顧客対応を両立し、"現場を止めない"運用を実現した取り組みをご紹介します。

今回は、事務部 部長代理の安里さま、事務部の村吉さまのお二人に、プロジェクトの背景や実践内容についてお話を伺いました。
※所属・肩書などは、2026年5月(本記事制作時)のものです。

この記事はこんな企業もしくは企業のご担当者さまにおすすめ

・通知後の問合わせ集中による「電話がつながらない」リスクを解消したい
・数万〜数十万件規模の通知を一斉に行う業務がある
・コールセンターや現場の負荷を抑えながら顧客対応の品質を維持したい
・問合わせ窓口へのAI自動応答の導入を検討している、業務設計や運用面に不安がある

株式会社 沖縄銀行 様(以下、沖銀) インタビュー

1. 課題:数十万件の通知で懸念された「電話がつながらない」リスク

DNP

今回、対象者が数十万件に及ぶという、貴行にとって過去に例のないボリュームの通知業務でしたが、検討当初、現場ではどのような課題や不安を感じていらっしゃいましたか。

沖銀

一番の課題は、やはり圧倒的な「量」ですね。 これまでの通知業務であれば、戻ってきた通知物(返戻物)の仕分けや、その後のデータ入力といった事務作業も、行内での「手作業」でなんとか回せていたんです。しかし、今回の数十万件という規模では、数パーセントの返戻が発生しただけでも数千件、数万件という膨大な事務が発生します。通常業務を行いながらの人的対応だけでは、対応が難しい規模感でした。

DNP

発送後のお客さまからのお問合わせの急増についても、心配されていらっしゃいましたよね。

沖銀

そこが最大のポイントでした。他行さまの事例でも、同様の通知を出した際にお客さまから「電話がつながらない」というクレームがあったと伺っていました。数十万通のお知らせを一斉にお送りすれば、営業店や弊行のコールセンターに問合わせが殺到し、通常業務に支障が出て、お客さまにご迷惑をおかけする可能性がありました。

お客さまをお待たせすることなく、いかにスムーズに入電を受け止めるか。現場ではそれが解決すべき大きな課題となっていました。

2. 選定のポイント:24時間365日、「待たせない対応」をどう実現したか

DNP

その課題解決に向けて、DNPからは「オペレーターの増強(有人)」と「AI自動応答サービス(以下、AI自動応答)の導入」という二つの選択肢をご提案しました。最終的にAI自動応答を採用された決め手は何だったのでしょうか。

沖銀

実は他社さんからは、オペレーターが対応する有人体制の提案をいただくことが多かったんです。そうした中で、AI自動応答という選択肢を提示してくださったのがDNPさんでした。AI自動応答であれば、土日・祝日や深夜を含めた24時間体制で対応できる点も大きな魅力でした。口座に関するご案内の概要などについて、営業時間外でも継続してご案内できる。この「お客さまをお待たせしない」という点を高く評価し、DNPのAI自動応答サービスの採用を決めました。

事務部 調査役 村吉さま

3. 問合わせ対応設計:専門知識が必要な「シナリオ設計」とFAQ整備

DNP

発送準備と並行して、AI自動応答のためのシナリオ設計やFAQ(よくあるご質問)の整備も行いました。準備段階で特に大変だった点や印象に残っている点を教えてください。

沖銀

実は私自身、DM発送やコールセンター業務を担当するのが今回初めてだったんです。特にAI自動応答のシナリオ設計は、本来なら非常に手間がかかり、準備の重たさにためらってしまうような部分だと思います。

ですが、そこはDNPさんがほかの金融機関での実績やノウハウをベースに、「こういう質問が想定されます」と具体的にリードしてくださったので、手探り状態だった私でも、迷うことなく整備を進めることができました。

4. 運用設計:不測の事態を防ぐ「変更を見据えた」印刷運用

DNP

AI自動応答の準備だけでなく、並行して数十万件のDMを送る実務面でも、スケジュール管理は非常に重要でした。御行から分割発送のご依頼をいただく中で、DNPからは、製造工程の効率性を重視しつつも柔軟性を持たせるため、発送に合わせた形での印刷運用をご提案しました。実際の運用においてはいかがでしたでしょうか。

沖銀

DNPさんの事前の備えには、本当に助けられました。当初より分割発送での運用を前提として検討を進める中で、そうしたご提案をいただけたのは非常に大きかったです。当時、DNPさんからは「一括で印刷した方が効率的ですが、今回のケースは途中で修正が必要になる可能性も考え、後から修正ができるように印刷を分けておきませんか」とご提案いただいたんです。

実際に発送が始まった後、現場から「店舗窓口に関する案内をDMに追加したい」という要望が上がってきました。もし一括印刷で進めていた場合には、営業店からの要望に柔軟に対応することが難しかった可能性がありますが、今回は先回りして仕様変更に備えた段取りをしていただいていたおかげで、プロジェクトを止めることなく、スムーズに現場の要望を反映した形で後続分を発送することができました。先を見据えたご提案だったと感じており、大きな安心感がありました。

事務部 部長代理 安里さま

5. 品質へのこだわり:自然な音声応答を支えた調整と発送データの運用精度

DNP

本番に向けたテスト段階では、実際にAIの音声を聞いてみてどのような印象を持たれましたか。

沖銀

初めてのAI自動応答を導入するということもあり、お客さまに受け入れていただけるのかという不安は正直ありました。テスト段階では、イントネーションや単語間の「間」の取り方に違和感があり、聞き取りにくい箇所があったのも事実です。

DNP

その違和感を解消するために、Webミーティングを重ねて細かなチューニングを行いましたね。

沖銀

はい。画面を共有しながら、「間」の取り方やイントネーションを少しずつ調整していきました。納得できるまで、複数パターンを比較しながら調整できた点は大きなポイントだったと感じています。また、DNPさんからは「こうすれば聞き取りやすくなる」という視点で具体的なアドバイスをいただけたことも印象的でした。結果として、実際に聞き比べながら最も自然に感じられる設定を選ぶことができ、「これなら安心して運用できる」と確信しました。

DNP

音声品質の調整だけでなく、数十万件規模の通知を安定して運用するうえでは、発送データの精度管理も非常に重要でしたね。御行から受領(じゅりょう)した発送データも非常に丁寧に整備されていた印象です。数十万件規模で形式不備が一件もなかったことは、プロジェクトを円滑に進める大きな支えになりました。

沖銀

そこは弊行のシステム部門が中心となって、緻密に整備してくれました。表に出る音声の品質だけでなく、こうした裏側のデータ連携まで両社で高い精度を追求できたからこそ、現場を止めることなく完遂できたのだと感じています。

6.成果と展望:大きな混乱なく完遂した通知対応と今後の展開

DNP

大きな混乱もなく稼働を終えましたが、当初心配されていたお客さまの反応はいかがでしたか。

沖銀

驚いたことに、懸念していたAI自動応答窓口への大きな苦情は確認されませんでした。「機械に任せるのか」といったお叱りを受けるのではないかとハラハラしていましたが、ふたを開けてみればそうした声はなく、AIがスムーズに一次対応を担ってくれたおかげで、DM発送に伴う営業店への影響を最小限に抑えることができ、とてもホッとしています。

DNP

プロジェクト最大の懸念点でしたからね。われわれとしても、事前の音声調整などのこだわりがこの結果につながったことを大変うれしく感じています。

沖銀

行内の他部署からも「AI自動応答はどうだった?」と聞かれることが多く、関心の高まりを感じています。

今回はお客さまの操作負担を減らすために、選択肢を増やし過ぎず、よくある質問だけに絞りましたが、今後は定型選択肢だけでなく、お客さまのお問合わせ内容をAIが理解してご案内する仕組みにも期待しています。そうすれば、より細かいご質問にも対応でき、活用の幅はさらに広がるのではないかと考えています。

DNP

おっしゃる通り、お客さまが自由に話した内容をAIが理解して応答する仕組みや、アウトバウンドへの活用など、今後はより幅広いお問合わせ対応にも展開できると感じています。今回の連携体制をベースに、より利便性を高めるご提案をこれからも続けていきたいと考えています。

編集後記

数十万件規模の通知業務を大きな混乱なく完遂できた背景には、単なるシステム導入にとどまらない、現場視点での徹底した準備がありました。

AI音声の細かな調整に加え、長年培ってきた通知・発送業務の運用ノウハウにもとづく「実務に即した備え」が、プロジェクト全体の安定運用につながりました。本事例は、大規模な業務であっても、確かな設計と運用によって安定した対応が可能であることを示しています。

DNPコアライズは今後も、お客さまが安心して新しい挑戦に取り組めるよう、現場に寄り添った支援を続けてまいります。

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